ギアスを見ていたのですが、ついに佳境に入りましたね~。個人的にお気に入りだった皇帝陛下が今回で退場と相成り、母上のマリアンヌも黒かったというわけでした。
今回は、内容的には深かったように思います。皇帝が目指した「嘘のない世界」「やさしい世界」というのは、善良な為政者が抱く夢としてはありがちなもので、その点は過激な発言で知られる皇帝陛下も普通の人だったようです。しかし、起点はまともでも、過程が異常だったわけで、それをギアスという異常な方法で成し遂げようとしてしまったということに問題があったというわけですね、たぶん。スザクがうるさいくらいにいっていた「過程が大事だ」ということばが思い出されます。皇帝もマリアンヌも過程をないがしろにして、結果を求めてしまい、それがルルやナナリーの人生を変えてしまったというのは悲しいことです。二人とも子供を愛していなかったわけでもないのですが、自己愛の方が勝ったということと、死んでも会えるという幻想が二人の行動として子供を捨ててもいいという行動になったのではないでしょうか?
監督が日経のインタビューでギアスのことをちょこちょこ語っています。(日経ビジネスオンライン)そこに興味深い記事があったので、抜粋します。
ルルーシュが「人の話を聞かない」わけ
(前略)
けれども、この作品の登場人物たちに関しては、それがない。「本人は一方的に相手のことをこのように考えている。でも、相手はそんなことを考えてない。向かっているベクトルが全くずれている」という形にしているんですね。
だからキャラクター同士が、共通の認識を持って真っ正面からぶつかり合うことは、まずありません。相手のことを真正面から捉えてぶつかっているように見えても、ちょっとずつ微妙にずれていたりとか。中でもルルーシュは特に我が強い人間なので、一方的に「アイツはこう動くのが良いだろう」と考える。彼にとって、その人の意志は関係ないんです。
このインタビューを見て、「ああ、そういえばルルって話きかないな」て思いました。その例として、学園のメンバーと携帯で連絡を取っている場面がよくあるのですが、ルルが一方的に話をして切っちゃうことが多いんですよね、見ていると。よくシャーリーが「ルルは一方的なんだから」といって怒っていましたが。今回の話で、ルルは両親の態度が実は自分と合わせ鏡のようであったことを知ったのではないかと思っています。ルルは両親を否定することで今までの一方的であった自分もある意味否定したと私は思っています。
来週から兄のシュナ兄と対決です。どうなるのでしょうか??シュナは一期から期待しまくりだったのですが、一期では活躍がなく、二期に入ってから活躍しはじめて嬉しかったのですが、ラスボスだったとは意外でした。監督の話ではギアスは「世界は自分に優しくない」がテーマなそうですから、その最たる人物がシュナ兄なのかも知れませんね。シュナの副官のカノンが「世界はあなただけに優しいわけではない」と言っていましたので、シュナはダイレクトにテーマを象徴する人物の可能性がある。監督がアニメは「毒」であり、「毒」を描いてこそ、薬に意味があると話していましたから、これからの話は、そのへんがキーポイントになるのではないでしょうか?EDでもシュナは廃墟に天使の羽という形で描かれていまし、ルルも廃墟にいましたから共通部分が興味深いです。
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